親が高齢で施設に入り実家が空家になった方へ

高齢施設にご両親が入居されると、それまで住んでいた実家が空き家になり、どうするべきか頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。
特に、売却を検討される方にとっては、どのようなステップを踏むべきか、またどのような点に注意するべきかを把握することが大切です。

空き家をそのまま放置するリスク

空家をそのまま放置すると、いろいろな問題が出てくることがあります。

建物が傷んで危険になる: 雨風で屋根や壁が壊れたり、湿気でカビが生えたりして、 周囲の人や家へ被害を及ぼす可能性があります。 資産価値が下がる: 放置されると老朽化が起こり、売却時の価格が下がる可能性があります。 固定資産税の負担: 空き家でも固定資産税の支払いは必要です。売却すれば、この負担を軽減できます。 防犯・防災面の不安：空き家は、人の目がつかなくなるため犯罪の温床になっていたり、 空き家にゴミが捨てられたり、放火の危険もあります。 行政からの指導や罰金の可能性：市区町村などの行政から「特定空き家」に指定されると指導や、 場合によっては罰金が科される可能性があります。

売却を考える前に確認すべきこと

家の状態を確認する: 家の現状をしっかりと把握しましょう。 修繕が必要な箇所がある場合は、そのコストや効果を検討し、売却前に手を入れるべきかを判断します。 所有者の確認: 不動産の登記簿謄本を取得し、現在の所有者を確認します。 遺言書の有無: 相続が発生している場合は、遺言書の有無を確認します。 遺言書がない場合は、法定相続の手続きが必要になります。 権利関係の確認: 抵当権などが設定されていないかを確認します。 ご本人の意思確認: 可能であれば、施設に入居されているご本人の意思を確認することが大切です。

売却方法の選択肢

仲介: 不動産会社に仲介を依頼する方法。広く購入希望者を探せるメリットがある一方、仲介手数料がかかります。 買取: 不動産会社に直接買い取ってもらう方法。 売却までの期間が短く、手続きが簡単なメリットがありますが、仲介よりも売却価格が低くなる傾向があります。 任意売却: 住宅ローンなどが残っている場合、金融機関の同意を得て売却する方法。

注意すべきポイント

相続人の同意: 実家の売却には、相続人全員の同意が必要です。話し合いを早めに行い、トラブルを防ぐことが大切です。 税金の確認: 売却に伴い、譲渡所得税が発生する可能性があります。 節税対策や控除を検討するために、税理士に相談することをおすすめします

専門家への相談を活用するポイント

家の空き売却は、法律や税金の知識が必要な場合があります。
必要に応じて以下の専門家へのご相談を検討してください

不動産会社： 売却の進行管理や市場分析 税理士：売却益に関わる税金のアドバイス 弁護士: 相続や共有名義の問題の解決 建築士 ：老朽化物件の評価

高齢者の親が施設に入り、実家が空き家になると、売却を検討するタイミングが重要になります。
放置するリスクや費用負担を考え、早めに行動を起こすことで多くのメリットが得られるでしょう。